2. 教えて!ROCK GARAGE。

自転車あそびが好きなバイクライダーが集う店。


 巷では自転車(スポーツバイク)を乗っている人たちを多く見かけるが、自転車(スポーツバイク)を通勤や買い物などの移動手段だけで終わらせているなんてもったいない。景色を楽しみ、風や陽射しを肌で感じながらのライドは気持ちがいい。最近では山へ未舗装路を走りに出かけたり、キャンプライドやライドフィッシュという用語があるくらい、アウトドアと自転車を一緒に楽しむ人たちが増えている。

 そんな自転車遊びが好きな人たちが通うのは、関屋松波町にある「ROCK GARAGE」だ。店主の新国善弥さんが自宅のガレージを改装し、店を開いたのは2015年。店内はキャンプ用の古道具や古着、自転車のパーツや自転車関連商品が所狭しと並ぶ。まるで宝物探しをするかのようなワクワク感がある。キャンプ用の古道具や古着はお客からの持ち込みがほとんど。委託として商品を預かり、売れた場合は売上金を店と案分。軍モノや自転車用品は新国さんが仕入れをしている。アウトドアや自転車で遊ぶことが好きな人に喜ばれそうな使いやすくて楽しい商品が充実だ。

 アウトドア全般に精進している新国さん。中学校では登山部に所属し、20代半ばからマウンテンバイクを乗り始め、その後ロードレーサー系のバイクに傾倒したり、自転車を離れて山に行ったりキャンプをしたり、嗜好が色々と変わり、山と自転車を繰り返しながら遊んでいたという。そのキャリアは30年以上。

「でもレースなどに出ることはなく、ただゆるく普通に自転車に乗っているだけ。FUN RIDEですね」 

 現在の新国さんの遊びの中心は自転車。自転車の所有数はなんと30台以上。

「自転車は普通に街乗りしていても楽しい。松林の中を乗ったり、山へ自転車を持って行って、未舗装路を走ったり、峠越えもします。ロードは舗装路を軽快に走れるから、やっぱり気持ちいい。あとは機材。自転車の部品変えたりすると楽しくなってくる。部品変えれば効果を試したいから自転車に乗る。自動車やバイクに比べて自転車ってそんなにお金がかからないし、カスタムして効果を感じればハマっていくのかもしれない」

 

 ROCK GARAGEは通りから中に入った閑静な住宅街にあり、目立たない立地にもかかわらず、自転車好きな人たちが新国さんを慕ってやってくる。新国さんが大切にしているのは、お客との会話だ。

「やっぱりお客様と直接話をして買ってもらいたい。特に中古のものが多いので、汚れや欠けているものもある。それを承知で買ってもらいたいから、お客様との会話を一番大切にしています。もちろん情報交換も重要です」

 ROCK GARAGEへは新国さんに相談に来る人が多い。私もそのひとり。私の自転車は決して高級車ではないけれど、カスタムする際は、機能性に優れたカッコいいデザインのものを取り付けたい。色々な自転車屋を回って取り付けが難しいと言われた商品も、新国さんに相談したところ、取り付けられるよと取り付けてもらったことがある。その時は本当に嬉しかった。

「うちの店は遊びとして自転車を楽しんでいる人が来てくれます。人伝に、そういう自転車が欲しいんだったら、まずROCK GARAGEに行って話を聞いた方がいいよと言われて来てくれるお客様が多い。やっぱり嬉しいですよね。ものを買う買わないに関わらず、アドバイスを僕に聞きに来てくれるというのは、商売云々関係なく嬉しい」

もちろん、新国さんでもできないことはある。そういう時は自転車屋に行った方がいいとアドバイスしてくれる。そんな新国さんに初心者からベテランまで信頼しているのだ。 

 自転車遊びに興味のある人は、まずはROCK GARAGEに行ってみて!きっと新国さんが温かく迎えてくれるだろう。


実践!たのしい自転車ライフ。


 自転車の楽しさは、まずは自転車に乗っている時の気持ちよさだろう。風を感じながら走る時の気持ちよさ。ペダルをこぐことで身体に気持ちいい刺激を与えてくれる。競わず、時間も気にせず、自分のペースで無理せずに走ることが自転車を楽しむコツ。少しライドに慣れてくると、もっと自転車のことが知りたくなる。そこで、自転車歴30年以上の新国さんに、遊びとしての自転車について話を伺ったよ。

__新国さんは自転車のどんなところに楽しさを感じますか。

新国 自転車に乗っていること自体が楽しい。まず乗っていて気持ちいいよね。街乗りだって楽しい。例えば買い物に行く時にちょっと遠回りすれば、それがツーリングになる。本来なら1kmのところを10km回って店に行くとか、買い物のついでにツーリングを楽しめるんだよね。歩きではなかなかできないけれど、自転車だとそういう楽しみ方もできる。

__新国さんはよくライドに出かけられていますが、新潟市内でお薦めのライドコースはありますか。

新国 僕が一番よく乗るのが小阿賀野川河川敷公園までのコース。酒屋まで土手沿いを行けばいいからね。だけど自転車を買ったばかりだったら、迷わず新潟島一周かな。新潟島一周に慣れたら小阿賀野川河川敷公園まで行って、小阿賀野川河川敷公園までのコースに慣れたら、その先の小阿賀野川沿いを走り、北方文化博物館の近くの満願寺まで行って戻ってくる。小阿賀野川沿いのコースだと距離もあり、サイクリングロードを走れるので楽しいと思いますよ。多分走ったら新鮮に感じると思う。あと、距離乗るけど、新潟市近郊でいえば旧月潟駅。黒埼までは遊歩道が通っていて、交差点ごとに輪止めがあるから、すり抜けたりするのがちょっと面倒なんだけど、旧月潟駅には電車が保存されているから、行けば楽しいと思う。

__お店にはキャンプ用品もありますが、ライドに行く時も自分でコーヒーを淹れて飲んだりするんですか。

新国 すごく手軽なのは保温ボトルにコーヒーを入れて持って行く。今、僕たちはそれしかしないんだけど。もちろんハンドミルとコーヒー豆を持って行って、お湯を沸かしてコーヒーを淹れてもいい。でもコーヒー淹れるのがハードルが高かったら、保温ボトルにコンビニで買ったコーヒー入れて持って行けばいい。まずはハードル低いところから始めないと。マグカップは持って行った方がいい。マグカップにコーヒー入れて飲んでもいいじゃないですか。マグカップを自転車のバックに括り付けて走ると雰囲気も出るし。コーヒー淹れたかったらフィルターコーヒーをカップにセットしてお湯を沸かして淹れてもいいし、お湯は保温ボトルに入れて持って行ってもいい。そんなところから始めればいいと思います。

__キャンプライドに行く時は現地まで車で行くんですか。

新国 県外や遠い所だと車を利用します。もちろん、ここからスタートすることもある。近場だと胎内や五泉、三条方面なんかにも行ったりします。

__どんなところにライドキャンプの楽しさを感じますか。

新国 結局は自転車に乗れるからだよね。

__キャンプはおまけみたいなもの?

新国 そうそう、僕にとってはキャンプはおまけみたいなものかもしれない。僕、宿に泊るのも好き。荷物も少なくなるし。でもキャンプもたまにはいいと思う。何が楽しいかと言えば、気の合う仲間と自転車に乗れて、夜に焚火でもしながら時間を過ごすことも楽しい。

OMM BIKE HAKUBA, OTARI 2023


__新国さんも参加された白馬で開催のOMM(Original Mountain Marathon)に興味があります。

新国 OMMはラン&ハイクとバイクの2種類競技があります。正しくはOMM LITE/BIKEなんだけど、本来OMMという本戦があって、山の中に入って、すごいハードルの高いことをするんだけど、それを気軽に楽しみしましょうというのがLITE/BIKE。

__新国さんはバイクに参加されたんですよね。どんなところが楽しかったですか。

新国 バイクに参加しました。今年で4回目。まず大会が自由なこと。みんなすごいねって言うけど、全然すごくないから。だって自分たちでコース選べるんだもん。地図にチェックポイントが書いてあって、前日に地図と点数表を渡され、どう回るかをみんなで相談して決める。自分たちでコースを決められるからゆるくしようと思えばいくらでもゆるくできる。もちろん上位を狙う人はハードにいくけど、僕らは別に優勝を狙っているわけではないから楽しいだけ。

__どんな風にコースを決めて回ったんですか。

新国 とりあえず点数高いところを回りました。僕らはまだやったことないけど、お蕎麦やピザ食べたり、スタバでお茶したりもできる。白馬っていう立地もいいんだよね。だから年一回の旅行気分。僕らは前日入りして、前夜祭はキャンプ、大会1日目の夜はホテルをとってホテルで食事。キャンプには固執しません。楽な方を選んでしまいます。

RIDE CAMP IN SADO ISLAND


__他に自転車で何か楽しいことしていますか。

新国 今年は何人かの仲間と佐渡へ行ってキャンプしてきました。佐渡は一周210㎞。がんぱって走れば一日で回ることもできるけど一日で一周は体力がいる。だから小佐渡だけでもいいと思いますよ。大佐渡側は海岸線だけで単調になってくるんだけど、小佐渡側は細かく町があるので補給もしやすいし、食堂やドーナツ屋さんがあったりして楽しめる。行程に余裕があるので今回のキャンプ飯は友人の自家製ピザでピザパーティーと洒落こみました。

__お薦めの時季はいつですか。

新国 5月じゃないかな。佐渡ロングライドが終わって、梅雨入りする前が一番いいと思う。秋もいいんだけど日が短くなっちゃう。日が短いと気も焦るんだよね。

__新国さんはコーヒーアウトサイドという活動をされていますが、どんなことをされているのですか。

新国 朝の9時頃から公園にみんなで集まり、そこでコーヒー飲みながらおしゃべりしましょうということをしています。結構似たようなバイクに乗る人たちが集まって来てくれたりとか、情報を聞いてどんな感じでやっているのかなって来てくれる人もいます。一昨年から始めたんだけど、年に2回くらい春と秋に開催しています。開催する際はInstagramなどで告知しています。(※)

__他に何かされていますか。

新国 当店でも取り扱っているバッグメーカーのSwift Industriesが提唱しているSwift Campoutというイベントがあるんだけど、一年でもっとも日の長い夏至の日に、世界一斉に自転車に乗って過ごしてキャンプしましょうという発信があって、ROCK GARAGEでも開催を呼びかけて、夏至の日に一番近い週末にキャンプライドをやっています。今年はやれなかったんだけど昨年まではずっとやっていました。

__色々な活動をされていますが、女性の参加者もいますか。

新国 たまに一人二人来ることもあります。店まで一台自転車納車しましたって見せに来てくれる女性もいます。少しずつ女性も増えてきていますが、もっと自転車の楽しみを色々知って欲しいし、ROCK GARAGEからも食などをからめながら、ゆるく発信していきたいですね。長い距離を楽しむんじゃなくて、それなりに自分で満足して、また他のところへ行きたいなと思うような楽しみ方を!

※取材は8月26日、コーヒーアウトサイドは9月18日に行われました。


ROCK GARAGE ロックガレージ

新潟市中央区関屋松波町3-358 ☎︎025-266-3822

0コメント

  • 1000 / 1000