UMEDA KNIT
「The next 10years」
“10年着られる”しっかりとした作りとリペア保証
“10年着たい”シンプルで合わせやすい飽きないデザイン
“10年寄り添いたい”品と上質感
“10年変わらない”創る姿勢と生きる姿勢
大切なのはお客さま目線の品質。
シンプルなデザインを追求して生まれた機能美と心地良さ。
My Favorite Thingsの「KNIT」に登場した私の定番ニットに新たに仲間入りを果たしたグレーのクルーネックニットは、五泉市にあるThe Knit Barで買ったもの。The Knit Barはニットファクトリー「ウメダニット」の直営ショップ。そこで私は社名を冠したフラグシップブランド〈UMEDA〉のニットを買った。上質の素材でしっかりと仕立てられた〈UMEDA〉のニットは2種類のスタイル、2種のカラー、3種のゲージ、XSからXLのサイズレンジから自分好みに選ぶことができる。シンプルなグレーのニットは何着も持っているはずなのに、〈UMEDA〉のニットに袖を通した瞬間、「いい、これだ」と気分が高揚した。即決だった
私はThe Knit Barを訪れる際に電車を利用した。五泉駅から歩いてThe Knit Barへ向かうまでの間に何軒かのニット会社を見た。五泉には染色から刺繍、プレスなどの二次加工技術が集積しており、地域内で染色から製品の完成までが可能となっている。最盛期に比べニット会社の数は減ったと聞くが、やはり五泉はニットのまちと言われているだけあるなと思った。ニットはセーターだけでなく、ジャージも含めてニットという。1947年創業のウメダニットは、時代の流れをいち早くつかみ、変わりゆくファッショントレンドに対応する為、設備を充実させ、技術を磨いてきた。長い歴史の中で変わらずに大切にしていることは、お客さま目線の品質。品質にも色々な要素があるが、へたれない丈夫なものづくりをウメダニットは強みとしている。また、伸縮性のある素材をきれいに縫うことのできる縫製力、ニットを立体的な洋服に仕立てることのできる技術力、そのニットの設計図となるパターン力と共に高い評価を得ている。
「創る幸せ、着る幸せ」。これはウメダニットの企業スローガンである。私は〈UMEDA〉のニットを着ると気分が上がると共に少しだけ背筋が伸びる。着心地の良さだけでなく、カジュアルな装いでも品よく見せてくれるところが気に入っている。これこそ私にとって“着る幸せ”だ。社長の梅田大樹さんはご自身の“着る幸せ”についてどう思っているのか。
「子供の頃、今よりもふっくらしていたんです。それがコンプレックスでもありました。洋服を気にするようになったのは中学3年生の頃。だんだん自分に似合うものがわかってくると自分自身が楽しくなる。人から褒められることも増えて自信に繋がる。ファッションのおかげでコミュニケーションも取りやすくなりました。毎日“着る幸せ”を感じています」
梅田さんと話をしていると、言葉の端々からファッションが好きなんだなと感じる。
変えてはいけないことと変えなければいけないこと
ウメダニット初の自社ブランド〈WRAPINKNOT(ラッピンノット)〉が誕生したのは2012年。ニットだけに特化せず、ニット素材と他素材との組み合わせを経験に裏打ちされた技術によって形成。多種多様の編機と職人による縫製技術によってハイクオリティなアイテムを展開している。〈ラッピンノット〉は当初デザイン性の強いブランドだった。優れたデザインや品質の〈ラッピンノット〉は十分にスタンダードになり得る商品だと私は思うのだが、世の中の流れが変わると求められるものも変わる。梅田さんは社長就任と創業60周年が重なる頃、毎シーズン新しいものを作り出していく〈ラッピンノット〉とは対極に、60年間で培われてきたものを活かしたウメダニットなりのスタンダードがあってもいいのではないかと考えるようになる。
「世の中の需要は動いていますが、毎回変える必要のないものもあります。毎回これでいいのか突き詰めていき、少しずつ痒いところに手が届いた変更をやっていく商品があってもいいのではないかと考えていました。そんな時、お世話になった方から私が考えていたことと同じ様なことを言わたのです。その方にご協力をお願いし、〈UMEDA〉を立ち上げることになりました」
〈UMEDA〉の誕生は2022年。よく使う道具のように日々に寄り添い、“着る幸せ”を感じてもらえるようにと「10年ニット」をコンセプトに開発された。〈UMEDA〉には、普通の服だからこそ、日々大切に着て欲しいとの思いが込められている。10年着られる品質のニットの開発には梅田さん愛用のニットがベースとなっている。
「同業者のみんなが持っているニットなんですが、みんなサイズが合わなくなって着られなくなっても捨てないんです。15年くらい経っているのに本当にへたれない。
〈ラッピンノット〉も初期からへたれないものを目指していたんです。当時はそのニットの品質を目指し、色々とトライしてきたのですが、目指す品質まで到達していなかった。〈UMEDA〉は2種類のスタイル、2種のカラー、3種のゲージしかありませんが、〈ラッピンノット〉で10年試行錯誤を繰り返す中から導き出されたいくつかの過程を2年かけて検証し、完成しました」
自分たちでつくることによって得たもの
細部までこだわった編み地と仕様。〈UMEDA〉は社員が一丸となり、各々が持っている力以上のものを出し切って完成させた。自社ブランドを立ち上げて、最近一番に感じるのは、自分たちで作ることの大切さだという。
「頼まれた仕事は頼まれた通りにするのが基本の為、100点より上にいかない。しかし、自分たちで作ろうとすると正解のレベルが上がります。また、いいブランドと思って頂けるにはどうしたらいいか知恵工夫が出てきます。それが一番よかった。試行錯誤したことは作り手の経験値となっていきます。時間をかけた意味がある。社員を大事にしないと今後作り手がいなくなってしまう。ちゃんと得た利益を作り手に還元し、作り手にも自分たちがやっている仕事に価値を感じて欲しい。そのために今後はウメダニットが手がけた商品をきちんと伝えてくれる仲間を増やしていきたいと思っています」
ニットファクトリーはニットを着てくれる人がいることでニットを作ることができ、工場が稼働できる。仕事の依頼をしていただくこと自体が幸せなこと。
「仕事の依頼者から直接感謝の言葉をいただけた時は一番に“創る幸せ”を感じます。現場の作り手は仕事の依頼者や使い手と触れ合う機会が少ない。きっとみなさん、工場を見学すると凄いと驚くと思うんです。毎年11月に開催のニットフェスなど工場見学ができる機会に自分たちの仕事を紹介し、作り手にも誇らしい気持ちや“創る幸せ”を感じて欲しいと思っています」
ウメダニットにはベテランだけでなく若手の作り手も多い。ウメダニットが得意とする技術力とクオリティを武器に、ニットファクトリー・ニットブランドとしての地位を確立すれば、自ずと技術は継承されていく。創業100年を見据えたものづくりがここにはある。
写真左:工場内でも目を引く存在の丸編み機。大きな反物を編み上げ、パーツ毎に裁断し使用。
写真真ん中:糸表面ににワックスを付着させる機械。ワックス加工された糸は滑りが良く、編み立てをスムーズにする。
写真右:定評のある、きれいな目面のハイゲージはこの機械から生み出されている。
UMEDA KNIT ウメダニット / The Knit Bar ザ ニット バー
五泉市今泉137 ☎︎0250-42-3945
営業日:土曜日曜 11:00〜16:00
Instagram:@the_knit_bar_official
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