にいがたの宿から(by みやこ 冬み)

みなさん、変わりはないですか。日毎寒さがつのります。(若い人たちになかなか)読んではもらえぬ文章を、涙こらえて書いています。

先日、仕事帰りにバスを待っていたら、20代前半と思われる若い男の子たちがスケートボードで歩道を通り過ぎて行きました。彼らの姿を見たら、ファッションを含めた空気感が(映画は観ていないけれど)「Mid90s」に出てくる少年たちのようだなと思いました。現代の子たちからしてみれば、90年代は、私でいう6•70年代に当たるのかなと想像します。私が20代の頃は当時のカルチャーと並行して、そのカルチャーのバックグラウンドである6・70年代のカルチャーに興味がありました。現代の子たちは、どうなんでしょう。その道のプロを目指さなくても、好きになったことのルーツに興味ある子たちはどれくらいいるのでしょうか。また、私が20代の頃、真面目に遊ぶ人たちのパワーの凄さを経験しました。真面目に遊ぶ人たちが多ければ多いほど、まちに活気が出て、面白みが増すと思っています。

今、未来を担う若い子たちの実態が気になります。

先日のスケートボードで通り過ぎた若い子たちは、「relax」という雑誌を知っているでしょうか(先月マガジンハウスのMOOKとしてrelaxの2020年SP号が出ました)。BLUE BIRDのVOLUME 02で特集した「NO BOOKSTORE, NO NIIGATA LIFE」のタイトルは、タワレコのポスターでおなじみのタイトルからではなく、relaxの2002年05号の京都特集にあった「NO BICYCLE, NO KYOTO LIFE 」からきているのです。2002年05号では京都特集のほかにドキュメンタリー映画「 DOGTOWN AND Z-BOYS」の特集もしていました。70年代のアメリカ西海岸、かつては西のコニーアイランドと呼ばれるほど活況を呈していたまちが廃墟と化し、無法者がサーフィンをするまちとして有名になったDOGTOWN。そのDOGTOWNから始まった伝説のスケーター集団Z-BOYSについての特集です。この映画で初めてスケートボードのしゃがむポーズはサーフィンからきているのだと知りました。この映画で度々登場するのが水のないプール。プール付きの空き家を見つけては、集団で忍び込み、スケートボードをする。アメリカではプールの形が様々で、底が丸くなっているものもあったりして、スケートボードをするには格好の場所だったようです。

そんな水のないプールの写真を撮りためて写真集「POOL」を作ったのが写真家の平野太呂さん。POOLを知った時にはすでに写真集は完売していたのですが、ずっと欲しいと思っていたら、最近自費出版により再販され、手に入れることができました。西海岸の乾いた空気や、荒んだプールにも関わらず、哀愁よりも静けさと美しさが感じられる写真の数々。純粋にかっこいいと思いました。

POOLが出版される前から、素晴らしい写真集になるに違いないと評価していたのが、先にあげたrelaxで編集長を勤めていた岡本仁さん。その内容は、BLUE BIRDのVOLUME 02で特集した「NO BOOKSTORE, NO NIIGATA LIFE」の北書店の記事に登場する、岡本仁さんと奥様の敬子さんとの共著「今日の買い物 新装版」の”コピーの写真集”で語られています。私も岡本仁さんのように、新潟を拠点に活動されている人の中で、自分の目で見て素晴らしいと思った人を紹介していきたいと思っています。


◾️さりげなく2度も登場した「NO BOOKSTORE, NO NIIGATA LIFE」および岡本仁さんと岡本敬子さんの共著「今日の買い物 新装版」について触れた北書店の記事は、HOME画面トップの VOLUME 02 または CONTENTS からご覧いただけます。


0コメント

  • 1000 / 1000