OTHER MUSIC

 BLUE BIRD VOLUME 03の”COFFEE AND MUSIC”で紹介させていただいた斉藤達也くんa.k.a DJ Desertのレコード店「LOWYARD RECORDS」が来月ついにオープンするそうだ。 

 今月dAb COFFEE STOREで開催のポップアップストアで買ったSOUL REVIVERSの「GROVE DUB」は気に入っている。静かな夜にじっくり聴きたくなる。あの時、達也くんにThe Reds,Pinks&Purplesの新譜「They Only Wanted Your Soul」があると教えてもらったのに迷って買わなかったことを後悔している。前回買った「Summer at Land's End」よりも好きだ。時は遅し。オンライストアを覗いたがSold Outだった。

 普段音楽は移動中にサブスクで聴くことが多い。ダンスミュージックが好きな私だが、ダンスミュージックを聴くのはサブスクがほとんどで、若い時とは違って家でもダンスミュージックを聴くことはなくなってしまった。9月のポップアップストアで買ったインドの女性シンガーASHA PUTHLIの「THE ESSENTIAL」。ジャズやソウル、ディスコ、ロックなど様々なジャンルの曲を歌い上げるインドの女性シンガーということに興味があったのと、MR BONGOから出されたアルバムというのが購入の決めて。MR BONGO、懐かしいなぁ。MR BONGOから出されたアルバムを何枚か持っている。かつて日本にもMR BONGOがあって、日本のMR BONGO出身のKenji HasegawaさんがDJで新潟に何度か来てくれていた。私は踊る専門なので音楽に詳しくはない。好きな音楽に身をまかせて踊る気持ちよさ、楽しさは、クラブに行かなくなった今でも身体が覚えている。ASHA PUTHLIは初めて聞く名前だと思ったが、「THE ESSENTIAL」に収録のSIDE CとE(”Space Talk”や”One Night Dance”、”I'm Gonna Dance”から”Chipko Chipko”まで)は聴いたことがある曲ばかりだった。多分クラブのアフターアワーズにかかっていたのだと思う。

 LOWYARD RECORDSにはMr.Fingersの新譜も扱っている。Mr. Fingersは現在も精力的に曲づくりを行なっているそうだ。20代の頃、私はハウスミュージックが好きだった。私が東京に住んでいた時に、今はなき六本木のYELLOWYでLarry Levanの誕生日を祝うイベントがあり、友人と出かけて行った。当時はLarry Levanの誕生日が私と同じ7月21日とされていて、入場の時に身分証明書を提示する際、「Larry Levanと同じ誕生日なんて、いいですね」なんて言われたものだ。しかし、現在ではLarry Levanの誕生日は訂正されて7月20日となっている。数少ない同じ誕生日の有名人(私の中では)だったのに残念だ。そのLarry Levanの誕生祭でメインDJを務めたのがNYのBody &Soulのメンバー、Danny Krivitだった。Danny Krivitが登場するとフロアのライトが落とされ、音が止まり、一瞬静まりかえる。スピーカーからはMr.FIngersの”Mystery  of Love”が流れ出す。暗闇の中で重低音且つクリアに響くドラム音。シンバルなど音の層が増えていくにつれ音量も増し、フロアは一気に熱を帯び、興奮で揺れ動く。Danny KrivitのDJは素晴らしく、今でもあの時の興奮が忘れられない。Danny Krivitは東京の後に新潟にも来てプレイしたそうだ。帰省した際、当時同僚だったまきぐち農園の露子さんから、新潟でも盛り上がり、とても素晴らしいパーテイーだったと教えてもらったのを覚えている。

 Body & Soulは1998年にNYのセントラルパークで開催される無料の音楽祭”サマーステージ”でプレイした。無料でBody & Soulの3人のプレイを体験できるなんて、NYへ旅するなら絶対に夏だなんて思って妹とNYへの旅の計画をしていた。しかし、仕事の関係で2人の休みが合わずに先延ばしにしていたら、2001年9.11にアメリカ同時多発テロというショッキングな事件が起きてしまった。家族にアメリカへの旅行はまだやめた方が良いと心配されつつ、このままだったらいつまで経ってもNYへ行けないと、色々な思いを抱きながら2002年の夏に一人でNYへの旅を決行した。初めてのひとり旅。テロ後、まだセントラルパークでサマーステージは再開されていなかった(もしかしたら、サマーステージは再開されていたのかもしれないが、Body & Soulは出演しなかっただけなのかもしれない)。NYでBody & SoulのDJプレイは体験できなかったが、好きな建築物や美術館を巡ったり、美味しいものを食べたり、ショッピングを楽しんだり、それなりに観光を楽しんだ。NYに来たんだから、やっぱり音楽は外せないと、当時、某雑誌のNY特集で紹介されていたイースト・ヴィレッジにあるレコード店「OTHER MUSIC」に行った。品揃えが良さそうだったのと、怖くなさそうな店(旅で必要最低限程度しか英語が話せない20代女性ひとり旅にとってはとても重要なポイント)だったから。OTHER MUSICを訪れる前はレコード中心にした品揃えかなと思ったが、当時はまだレコードよりもCDが主流だった為、店内はCDが割と多くを占めていた。OTHER MUSICで私が買ったのはONENESS OF JUJUの「African Rhythms」のCD。アルバムのタイトル曲がDJのMix CDに入っていて、原曲を日本では見かけたことがなかった為、OTHER MUSICで原曲を見つけた時は嬉しかった。さすがNY、さすがOTHER MUSICと思ったものだ。

 そんな思い出のOTHER MUSICが2016年に閉店したと知ったのは、OTHER MUSICの閉店までを追いかけたドキュメンタリー映画「OTHER MUSIC」によってだった。もう上映は終わってしまったが、シネ・ウインドへ「OTHER MUSIC」を観に行った。私は一人の旅行者として懐かしい思い出に触れたかった。劇中にフラットアイアンビルディングやユニオンスクエアなどが映し出された。2002年と2016年では一見するとさほど変わっていないようだが、実際にはOTHER MUSICの前にあったタワーレコードがなくなっていたり、商業的な店が増えて、イースト・ヴィレッジを行き交う人たちが醸し出す雰囲気も以前とは違っていた。私がCDを買う時にレジを担当していたのはDUANEという人だった。一度しか店には行っていないが、なぜかはっきりと覚えている。実はDUANEは雑誌などに音楽について寄稿するくらいの知識の持ち主で、カリスマ店員としてみんなから頼りにされている人だった。挨拶しか言葉を交わせなかったのが悔やまれる。

 映画を通して、OTHER MUSICは本当に多くの人たちから愛されていた店であったことを知る。オーナーのジョシュとクリスをはじめ、音楽愛に満ちた個性的なスタッフ。自分たちが良いと思ったものだけを扱う他店にはない品揃え。自分にとって未知の音楽との出会いを求めてOTHER MUSICに集う客たち。OTHER MUSICへ信頼を寄せるミュージシャンたち。OTHER MUSICをハブとして、純粋な音楽への愛により様々な繋がりが生まれた。それでも時代の大きなうねりには抗えなかった。OTHER MUSICが閉店する2016年は、レコード人気の高まりによりレコード店として成功している店もあったという。しかし、OTHER MUSICは閉店することを決めた。店を愛する常連客が多くいても、閉店せざるを得ないこともあるのだと知る。

 店は成功者の真似をしても続かない。その土地に根ざしたやり方で、どのように時代と向き合いながら、店に関わる人たちと関係を築いていくか。

 LOWYARD RECORDSは、OTHER MUSICとはおかれた環境が違う。希望に満ちている。来月のオープンが楽しみだ。


 「まきぐち農園」の野菜は、野菜の味が濃くて美味しい。音楽を愛し、音楽に造詣が深い槇口志伸さんと露子さんは、音楽と同じように、野菜づくりにも愛情を持って日々丁寧に取り組まれている。生産者がどういう思いでつくっているかを知ると、やはり美味しいうちに余すところなく調理して食べ切りたいという思いが芽生える。昨日原信で買ってきた白菜と長ネギ。白菜は塩漬けにした。夜にでも塩漬け白菜と豚肉の鍋にして食べるつもりだ。長ネギはお昼にグラタンにして食べることにした。グラタンと言ってもベシャメルソースではなく、生クリームと牛乳とチーズを具材にのせてオーブンで焼くだけ。よくジャガイモを薄くスライスしたものでつくるが、今回は長ネギのグラタンも食べたくなって、ジャガイモと長ネギのハーフ・ハーフにしてみた。素材の違うものを一つの器で焼くのは初の試み。結果、味は美味しかったのだけれど、長ネギから水分がたくさん出てしまい、仕上がりが水っぽくなってしまった。長ネギをソテーして水分を飛ばしてからか、牛乳なしで生クリームとチーズだけで焼けばよかったのかもしれない。甘い長ネギと塩気のあるチーズは相性も良く、とても美味しかったので再チャレンジしようと思う。

グラタンを盛り付けた器はヒメミズキ 、藍染のクロスは青人窯で購入したものです。


 11月23日(水)に Orquesta F.I.B JOURNAL meets 武田カオリが新発田市のヨリネス新発田 札の辻広場にやってきます。F.I.B JOURNALは今回のライブ告知で初めて知ったのですが、とってもかっこいいバンドです!音楽的にはJAZZ FUNK、JAZZ HIP HOP、JAZZ+Poetry Reading、、、な感じがしたのですが、精神的な部分でPUNKを感じました。Pepe Californiaの時とは違うF.I.B JOURNALでの武田カオリさんの歌声がこれまたいいのです。わたしは新発田市を観光しつつ、ライブを楽しむ予定です。チケットはdAb COFFEE STOREや三角フラスコなどで販売中だそうです。みなさんも是非〜。


■ DJ DesertについてはVOLUME 03の「COFFEE AND MUSIC」およびcontentsから記事をご覧ください。DJ Desertのアルバム「Ministry」についてはmusicから視聴いただけます。

■まきぐち農園についてはVOLUME 04の「わたしのSmile Food。」およびcontents

から記事をご覧ください。槇口志伸 a.k.a Dj Jacobによる選曲「endless summer mix」についてはmusicから視聴いただけます。

■シネ・ウインドについてはVOLUME 02と03の「ようこそCinecittàへ。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

■ヒメミズキ についてはVOLUME 02の「MINGEI」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

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