3月のMemorandum。

お八つ

 春になると特に和菓子が食べたくなります。よく買うのは豆大福に草餅や桜餅、柏餅、牡丹餅など、豆大福を除くと春の和菓子ばかり。私の和菓子好きのルーツは子供の頃にあります。子供の頃は家にホームベーカリーのようなホーム餅つき機があり、お正月用のお餅は自宅で作っていました。餅米を蒸している時の香りが好きな子でした。春になると母はよく笹団子や草餅を作ってくれました。裏庭に自生しているヨモギを摘んできて笹団子や草餅を作るんです。天然の素材だから香りも味も抜群。母は市販の笹団子を食べると天然のヨモギを使っているか粉末のヨモギを使っているか、着色料を使っているかをすぐ言い当てるほどヨモギマニアでした。私は全く母のようなヨモギマニアではありませんが、母が作ってくれた餅菓子のおかげで、洋菓子だけでなく和菓子も好きなになりました。

 柾谷小路の本町の交差点近くに創業1915年の「角田屋」という和菓子があります。私が角田屋を知ったのは実は数年前。割と最近です。大和百貨店が閉店し、ルフルに建て替え工事を行う際、古町のバス停がNEXT21側に移ったことにより、一番会社に近い本町のバス停で降りるようになってからです。以前から柾谷小路の本町付近を歩いていると、どこからか子供の頃によく嗅いだ餅米の蒸した香りがしてきて、角田屋の存在はずっと気になっていました(現在は厨房の設備が変わったのか、餅米の蒸した香りを嗅ぐことはなくなってしまいました)。角田屋は歩道側から対面販売で買うスタイルを取っています。夏になるとショーケースに大きな氷の塊を見かけます。商品を個別包装して冷蔵ショーケースに並べるのではなく、陳列トレーにそのまま並べて販売するスタイルを取っていて、昔ながらの風情が感じられて私は好感を持っています。私が出勤時に本町のバス停に降りると、まだ8時半頃ですが、和菓子を買いに来ているお客を見かけます。何時から店は開いているんだろうと気になっていた為、先日店を訪れた時に聞いてみたところ、「7時ちょっと過ぎからやっているんですよ」と教えてくれました。開店時間の早さに驚くとともに、"7時ちょっと過ぎ"という未確定な開店時間に微笑んでしまいました。

 角田屋で私が毎回買うのは豆大福と蒸しカステラ。蒸しカステラを初めの頃はずっと和風蒸しパンだと思っていました(ちなみに餡子が入った蒸しパンもちゃんとあります)。カステラ生地を焼かずに蒸すと、洋菓子と同じだと思っていたカステラは実は日本のお菓子なのだと再認識させられます。豆大福は餅は柔らかく餡はしっとり。餅も薄過ぎず、餅と餡と豆の配分が丁度いい。桜餅は黒餡と白餡があるのですが、私は主張し過ぎない白餡の方が好きです。

上の写真に蒸しカステラが載っていないのは買ってすぐに食べてしまったからです。

◼︎湯呑みは「ヒメミズキ」で購入したものです。

 ヒメミズキについてはVOLUME 02の「MINGEI」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

 角田屋の包装紙が素敵。イラストはポーズから佐渡おけさを踊っている踊り子のように見えますが、角田屋は新潟市の店だから新潟甚句を踊っている踊り子なのでしょうか。


LIGHT

 年に2回、「LIGHT」という写真展が開催され、展示された作品を収録したフリーペーパーが発行されています。レギュラーメンバーはTango、Takaaki Mizusawa、カンダアキラの3人。そこに毎回違うゲスト1名を迎え入れての展示となっています。3月16日から3月24日まで「dAb COFFEE STORE」(以下、dAb)で開催された「LIGHT IS YOURS 11」を見に行って来ました。今回は各者各様個性の違う作品の展示となっていましたが、セレクトショップのように、なぜだか統一感を感じました。今回のゲストはYuto Sakai。まだ21歳か22歳の若き青年Yutoくんの作品からは、いろいろなことを吸収し、表現してみたいというようなエネルギーを感じました。Tangoさんは「_years later」と題し、お母様の故郷和歌山へ、9年前に亡くなられたお祖母様の墓参りにお母様と二人で出かけた時に撮影した写真を展示。Tangoさんとお母様の関係性や距離感が作品から滲み出ていました。今回のTakaaki Mizusawaさんの作品は、いつもよりキリッと締まった印象を受けました。デザイン的な見せ方は私の好きなルイジ・ギッリの様。ご本人は不在でしたが、dAbの小林夫妻から、カメラを変えたそうだと聞きました。カンダアキラさんの作品は、毎回見るたびに、撮り方は違えど撮りたい対象が私と似ていると感じています。だからか作品を見ると、カンダアキラさんが撮りたい対象物を見つけた時の“いいな(おもしろいな)”と思った時の気持ちが伝わってくるのです。野球場の場外から場内の試合を眺めているおじいさんの後ろ姿を捉えた写真は、おじいさんとカンダアキラさんの空気が一つになった瞬間ではないかと感じました。

 展示を見に行く時にも、コーヒーブレイクは大切ですね。最近はスーパーでもイチゴを見かけますが、私はまだ出始めのイチゴにはなびきません。焼き菓子やジャムにするならイチゴよりも柑橘の方が好き。甘味だけでなく、苦味や酸味が感じられる果物の方が飽きがこないといというのは人と同じような気がします。大地くんの焙煎するコーヒーにあわせて作られた玲子さんの焼き菓子には、玲子さんの“好き”という哲学が詰まっていると感じます。数多ある美味しいものの中で私が好きと感じるものは、つくり手の好きが詰まったものなのかもしれません。

◼︎dAb COFFEE STOREについてはVOLUME 01・06の「COFFEE AND MUSIC」とVOLUME 02の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


SADO

 3月9日と10日に「GUGUGU」で開催された「THE GREAT ISLAND TREND KILL -SADO Market&Exhibition-」に行ってきました。タイトルの“TREND KILL”に惹かれない訳がありません。佐渡が面白いというのは何年も前から言われていますが、子供の頃に訪れたきり、訪れていない佐渡。今の佐渡を知りたくて、GUGUGUに行ってきました。どれも伝統や自然を大切にしながらも、現在の暮らしをより楽しく豊かにするものを作っているつくり手ばかり。情報過多で個性が埋もれがちな現代において、自分の興味のあること好きなことを追求する姿勢が各々の個性となって商品や作品から伝わってきます。

 上の写真は佐渡の「莚 CACAO CLUB」と東京のスパイスとハーブがミックスされたヴィーガンの“さんぺだる塩”を手がけた「SUNPEDAL」とのコラボチョコレート。キラキラ輝く海塩と矢車菊、カレンデュラのエルダーフラワーが散りばめられた見目麗しいこのチョコレート。口に含んだ瞬間から溶けて消えていくまでの味わいの変化を心ゆくまで楽しみました。

※ チョコレートの載ったお皿とマグカップは「ヒメミズキ」で購入したものです。

◼︎ ヒメミズキについてはVOLUME 02の「MINGEI」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

 筵 CACAO CLUBのチョコレートを買う楽しみはチョコレートを味わうことだけではありません。“包み”も楽しみの一つ。筵 CACAO CLUBでは日本古来の“折形”を採用。切り目など一切なく、一枚の紙を折って包んでいます。“始まりと終わり”までの“始末のデザイン”は、菓子研究家の福田里香さんが提唱している“包装までが製菓です”が体現されています。ちなみにオリジナル商品には佐渡島のお祭りの絵が描かれています。

 チョコレートと一緒にいただいたのは秋葉区の「BERON COFFEE ROASTER」(以下、ベロン)のエチオピア。ベロンは佐渡のロースターではありませんが、GUGUGUでSADO -Market&Exhibition-が開催された時に出店していたので買いました。コーヒーは焙煎したてよりも焙煎してから時間が経った方が美味しい場合があります。たしかベロンのエチオピアを2回目に買った時でした。焙煎してから1週間くらい経った頃でしょうか、豆を挽いて淹れた所、私史上最高の香りと味わいのコーヒーを淹れることができたのです。その時の感動と喜びは未だに忘れられません。ベロンで豆を購入する時は、その日のお薦めを試飲します。ベロンはエチオピアでない豆も美味しいのですが、一度体感してしまった感動と喜びを求めてまたエチオピアを買い求めてしまいます。しかし、浅煎りのコーヒーは特にワインと同じように一期一会と感じることがあります。同じように淹れているつもりでも、なかなか同じような感動を得ることはできません。それも含めて、その時々の味わいを楽しんでいます。

 同じくSADO -Market&Exhibition- で購入した佐渡の「保存食屋すがわら」の“ビールのスパイス”。私は夏になるとビールをオレンジやパイナップル、マンゴーなどの果汁で割っていただくのですが、そんな私が保存食すがわらの陳列棚を見て、真っ先に目に留まり、手に取ったのは“ビールのスパイス”でした。ビールで割っていただくと、最初にキウイフルーツの甘味を感じますが、後から苦味が効いたスパイスの風味がじんわりと効いてきます。ビールの苦味が損なわれず、大人な味わいでした。

 最近、あらゆるところで何かと目につくクロックムッシュ。私がクロックムッシュを初めて知ったのは二十歳の頃。そのクロックムッシュはパンにカンパーニュを使用し、パンとパンの間にチェダーチーズとロースハムをサンド、上段にはミックスチーズを混ぜたベシャメルソースが塗られ、仕上げにパルメザンチーズが振りかけられていました。パンの耳がパリッとしていて、ベシャメルソースの量がほど良かったので、当時はペロッと平らげていましたが、今はベシャメルソースが重く感じるお年頃。でもクロックムッシュが食べたい。ならば家で当時のクロックムッシュを今の私の口に合うように再現してみようと、15年以上ぶりにクロックムッシュを作ってみました。新潟でカンパーニュを買える店は多くなく、今回使用したのは昨年11月30日に護国神社の一角にオープンしたばかりの「COBO BAKERY SHOP」のゲズンドブロート。10種類以上の穀物が生地に練り込まれており、パンをかじると様々な穀物に遭遇し、味わいも食感も楽しいパンです。ゲズンドブロードは量り売りなので自分の欲しい部分と量を伝えることができるのですが、欲張って大きいところが欲しいと言ってしまったがために、お皿からはみ出しそうなクロックムッシュとなってしまいました。パンが大きくなってしまった分、胃もたれしないようにベシャメルソースは薄く塗って調整。お陰で見た目に反し軽い仕上がりとなり、ビールが進んだのは言うまでもありません。

 “ビールのスパイス”はビールで割る以外にもドレッシングにも使えるとラベルに書いてあったので、オリーブオイルとヴィネガーで割ってグリーンサラダにかけていただきました。日々凝った料理はできなくても、美味しい調味料やスパイスがあると、ただのビールがカクテルになり、ただのサラダや蒸したり焼いたりしただけものでも満足する逸品になるのが嬉しいです。

※ ビールを注いだグラスは「APARTMENT」で購入したドイツのtrendglass JENAのもの。

APARTMENT についてはVOLUME 03の「TOMORROW'S HOME」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


COBOとANGO

 自転車でライドに出かけたのは昨年の12月が最後。その後、休日は雪や雨で自転車に乗る機会がなかったのですが、ようやく3月に入り自転車でライドに出かけることができました。3ヶ月ぶりのライドなので体力の衰えは否めません。まずは体力をつけることから始めようと、自宅から新潟島一周(途中寄り道あり)して帰ってくることにしました。往復約30㎞。久しぶりのライドは気持ちよく楽しかったです。

 新潟島のサイクリングコースで、私の立ち寄りスポットとして新たに加わったのは前記に登場した「COBO BAKERY SHOP」(以下、COBO)。店内にはイートインスペースもありますが、お昼時は満席なのでテイクアウトしてサイクリングロード沿いのベンチで頂きました。私はサーモンサンドが大好きなのですが、COBOのあおさクリームチーズサーモンサンドは美味しさだけでなくボリューム的にも大満足。シナモンアップルエスカルゴはザクっとした食感のクロワッサン生地とシナモンダマンド、カルヴァドスで香り漬けしたリンゴが病みつきになります。どちらもリピート買いしたいくらい気に入りました。

 COBOから歩いて数分のところに坂口安吾の石碑があります。新潟にいながら一度も安吾の石碑を見に行ったことがなかった(または見に行ったこと自体を忘れているのかもしれない)私は初めてDCボーイと見に行ってきました。石碑に「ふるさとは 語ることなし 安吾」と彫られています。意味深な言葉ですね。DCボーイに「ふるさとは 語ることなし」に込められた意味は何だと思うか聞いたところ、安吾の本に安吾が新潟を嫌っていた記述があったから、嫌な思い出しかないから語ることがないと言ったんだろうと言いました。私は大人なので、わざわざ石碑にするくらいなんだから、そんな単純な意味ではないだろうと推測しました。好きなところも嫌いなところもあるけれど、思い出がありすぎて、語ってしまうと薄っぺらなものになってしまうから語りたくないというところでしょうか。“BLUE BIRD”の原稿や今書いている“今日のハニー”の文章にも同じようなことが言えます。例えば食について語る時に“美味しい”という言葉を使うのは簡単ですが、美味しいだけでは何がどんな風に美味しいのかよく伝わりません。また美味しいを連呼しすぎると相手に美味しいという気持ちが弱く伝わってしまいます。美味しいを使わずに表現しようとすると、食の専門家でないだけに、拙い表現が返って美味しいを薄っぺらなものにしてしまいます。安吾のように「食については語ることなし(まずは食べてみるべし)」で済ませられたらどんなにいいでしょう。本当、言葉って難しい。


Fallen Leaves

 万代にある「新潟・市民映画館 シネ・ウインド」で3月2日から3月15日まで上映されていたアキ・カウリスマキ監督の映画「枯れ葉」を観てきました。久しぶりに愛ある娯楽映画を観た気がしました。戦中、戦後を舞台としたドラマや映画を観ていると、時折、映画に夢中になる市井の人びとが登場します。お金がないけれど、どうしても映画が観たくて、こっそり映画館へ忍び込んで観たり、学校や会社をサボって観に行ったり、映画を観終わると皆が笑顔になって出てくる、そんなシーンが度々登場します。どんなに悲惨な状況でも映画を観ている時だけは悲惨さを忘れさせてくれ、映画を観終わった後は観た者に活力をもたらしてくれます。「枯れ葉」は正にそんな映画。観終わった後に私たちを笑顔にさせてくれる、愛とユーモアに満ちた映画でした。

 映画の中でウクライナの戦況がラジオから流れるシーンが何度も登場します。アキ・カウリスマキは2017年の「希望のかなた」のプロモーション中に監督引退宣言をしましたが、そんな彼を制作へと突き動かしたのは、やはり母国フィンランドの隣国ロシアがウクライナ侵攻を始めたことがきっかけだったのではないかと思います。2022年の12月に発売された雑誌「TRANSIT」のフィンランド特集で、アキ・カウリスマキへのインタビュー記事に“夏に新しい映画の撮影をしていた”と記されています。アキ・カウリスマキは映画制作のきっかけはロシアのウクライナ侵攻だけではないと述べていますが、2022年年2月24に始まったロシアのウクライナ侵攻から半年後の夏には「枯れ葉」の撮影を終えていたことからも、ロシアがウクライナを侵攻したことを史実として映画に残すことを使命の一つとして、今すぐ映画制作に取りかからなければならないという強い思いがあったのだと思わずにはいられません。

 「枯れ葉」には見どころが沢山ありすぎて全部は語れませんが、美しい映像が心に残りました。赤の差し色は小津安二郎の影響だと言われていますが、私は小津安二郎よりもエドワード・ホッパーが頭に浮かびました。エドワード・ホッパーの絵画に見られる色彩や採光の具合、マットな質感が「枯れ葉」のスクリーンから感じられました。それからもう一つ、主演のアンサを演じるのはアルマ・ボウステイ、アンサに引き取られた迷い犬チャップリンはアキ・カウリスマキの愛犬アルマ。アンサ演じるアルマとチャップリン演じるアルマが、名前だけでなく顔まで似ていると思ってしまったのは私だけでしょうか。機会があれば、もう一度観たい映画です。

◼︎新潟・市民映画館 シネ・ウインドについてはVOLUME 02・03の「ようこそCinecittàへ。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


ホスピタリティという言葉は好きではないけれど。。。

 3月のある日、万代にある「パンとワインと三弥」(以下、三弥)のオリジナルキュヴェであり、山形のグレープリパブリックとのコラボワインが完成したと聞き、シネ・ウインドで「枯れ葉」を観た後に三弥へ立ち寄りました。今回も三弥オリジナルキュヴェは香りも味わいも素晴らしく、一緒に頂いたフレッシュで品のある味わいのヤムウンセンやプリンプリンなエビがたっぷり入ったグラタンともども心もお腹も満たしてくれました。心が満たされる理由の一つに、セナさんのさりげない心遣いがありました。

 3月のまた別のある日、友人と古町の「スタンドおだけ」を訪れました。美味しい料理とお酒をサクッと飲んで食べて帰ろうと思って訪れたとしても、居心地よくて、サクッと帰れないのがスタンドおだけ。今回のお目当て、青唐入りメンチは肉汁滴るジューシーさ。満足の一品でした。この日もスタンドおだけで、さりげなく気遣ってくださっていると感じることがありました。些細なことなのですが、やはり心もお腹も満たされました。

 スタンドおだけを出て向かった先は「小皿中華 non」。年末と同じコースを辿っていますね。グランドオープンしてから初めて訪れました。前回気になっていた店イチオシの炒飯を頼んでみたのですが、パラッ、フワッの炒飯とはこういう炒飯をいうんだという驚きと感動がありました。中華に合わせて選ばれたワインはしっかりした味わい。そのままでも美味しいけれど、中華と合わせることで更に美味しいと感じました。私たちの席はキッチンの目の前だったので、シェフが調理している姿を眺めたり、シェフが手があいた時に料理の説明をしてくれたりと、特等席のようで得した気分。私たちを楽しい気分にさせてくれたのは、これもシェフのさりげない心遣いなのかなと感じ入った一夜でした。

 私は20代と30代半ばまで接客業に携わっていました。その当時はホスピタリティーという言葉が盛んに用いられ、覆面調査員がホスピタリティーチェックをしに店に来るくらい重要視されていました。私も当然の如くホスピタリティーに重きを置いて仕事に携わっていました。休日に他所の店へ食事に出かけても、無意識にホスピタリティーチェックをしていました。接客業をやめて気づいたことは、いつしか私は宗教のようにホスピタリティーという言葉に囚われ、ホスピタリティーのためにやらなければいけないと本末転倒な接客をしていたということでした。ホスピタリティーという言葉がなければ、もっと仕事を心から楽しめたのではないか、心から持て成す接客ができたのではないかと考えることがあります。だから私はホスピタリティーという言葉が好きにはなれないのです。そんな私が、今回立て続けにホスピタリティーを感じてしまいました。私が感じたホスピタリティーはおそらく接客してくださった皆さん、無意識だったと思います。お店の方たちにとっては日常のこと。これをしてあげたらお客さんは嬉しいだろうなというちょっとした心遣いが、お客にとっては後を引くくらい心に残ります。やっぱり、自分の仕事を楽しんでいる人たちは心からの接客が自然にできているのでしょう。

◼︎パンとワインと三弥についてはVOLUME 04の「つながる、つづく。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


MUSIC

 水島町にある「LOWYARD RECORDS」の達也くん選曲のオリジナルMIX CDがひっそりとリリースされていました。MIX CDのイラストを手がけたのは「PRINTER WORKINNG BAND」の稲吉さん。達也くんはあまり告知をしないので、私はMIX CDだと思わず、東京で開催されたPOP UPイベント用のチラシのようなものかなと思っていました。私がMIX CDだと気づいて手に入れた時はラスト5枚。ギリギリセーフでした。

 MIX CDは想像していたものとは違い、とてもクール。CDに同封されたライナーノーツはいつもの達也くん丸出しで、真面目なのかふざけているのかわからない、少し風変わりな文章。しかし、選曲は驚くくらい素晴らしい。一応絶賛しているつもりですが、うまく伝わらない自信があるので、MIX CDを手に入れる機会があればぜひ手に取って聴いてみてください。最後の曲は達也くんがDJ Desert名義で活動している新曲です。今の達也くんを感じる曲で、とてもカッコいい。今年リリース予定だそうです〜。

◼︎LOWYARD RECORDSおよびDJ DesertについてはVOLUME 03の「COFFEE AND MUSIC」とVOLUME 06の「good vibrations」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

◼︎PRINTER WORKINNG BANDについてはVOLUME 04の「新潟T わたしの愛するTシャツたち」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

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