2月のMemorandum。

Flower

 南仏コート・ダジュールでは、毎年2月に「ミモザ祭り」が開催されるそうです。新潟のパリ、「Crêperie Le Pont Marie」(以下、ポンマリ)で2月12日に開催された【花とクレープ】コラボワークショップで、ミモザのリースづくりに参加してきました。お花のワークショップに参加するのは初めての経験。ミモザのリースづくりを教えてくださったのは、ポンマリの周年祝いに、ここはベルサイユ?と思わせるような華やかな花の装飾を手がけたやえこ先生。やえこ先生が参加者の個性を大切に楽しんでつくることに重きを置いて下さったおかけで、楽しくリースをつくることができました。やえこ先生からミモザの長さを揃えてカットすると仕上がりが綺麗になると教わったのですが、実際にやってみると要領が分からずに苦戦。ミモザを配分してからリース台に巻き付けていったにも関わらず、後半ミモザが足りなくなってディスプレイ用のミモザを分けてもらったり、ミモザをリース台に巻き付けることに必死になりすぎて、あんなに可愛いミモザを押し潰したり巻き潰したりしてしまい、反省することばかり。終盤になってやっと、外周と内周でミモザの長さを変えるとバランスの良いリースができることがわかってきたのですが、時すでに遅しでした。私がつくったリースは美しく整った形をしていませんが、意図せずしてなってしまった不揃いさが逆にナチュラルに見え、これはこれで気に入っています。存在自体が可愛らしいミモザ様様です。

 ワークショップの最後にお土産でいただいたクレープは、ハート型にカットされたストロベリーが可愛いらしい、バレンタイン・シーズンにぴったりなクレープでした。巻かれた生地の中にはクラッシュチョコレートが入っていて、このビタースイートなチョコレートの食感とストロベリーとブルーベリーの甘酸っぱさ、クリームのコクと甘み、生地のモチモチさといったら。。。半月経っても美味しい記憶は鮮明に残っています。

なんとも美味しく楽しいワークショップでした。

Crêperie Le Pont MarieについてはVOLUME 01の「ニイガタのパリ案内。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 2月にも関わらず20度越えの日があったかと思えば霙が降ったりと、地球環境が変わってきていることを目の当たりにする日々。2月になるとお花屋さんに色とりどりの春の花が並び、店の前を通るだけでも気持ちが明るくなります。私は職場の近く、本町にある「SAKURA KOMACHI(サクラコマチ)」で花を買っているのですが、昨年の秋に買ったヒヤシンスが先日開花しました。仕事が終わって帰宅すると部屋中が自然の甘い香りで満たされていて、疲れも吹き飛ぶくらい癒されます。今年初のチューリップは、新鮮なのでしょう、2週間くらい長持ちしてくれました。引き締まった厚みと張りのある花びらが、開いていくにつれ、薄くて柔らかな花びらへと変化していく過程が美しく、朽ちるまで見飽きることがありません。庭の鉢の球根も芽が出てきたので、開花が待ち遠しいです。

◼︎SAKURA KOMACHI(サクラコマチ)についてはVOLUME 04の「つながる。つづく。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。



Chocolat


 2月は美味しいショコラがまち中に溢れ、心が躍るシーズン。このシーズンだけ登場するショコラもあるので、逃さないように時間を見つけては買い回ります。

 私が毎年買っているのは学校町にある「Pâtisserie Solange」(以下、ソランジュ)のボンボンショコラ。海外の有名なショコラティエのショコラに負けず劣らずの美味しさです。フィリングに様々なくだものを用いており、作りたてをいただけるというのも関係あると思いますが、とにかくフィリングが新鮮。香りも味わいもフレッシュなのです。また、私はショコラに関して詳しくないので間違っているかもしれないですが、ソランジュのショコラはフランス式にチョコレートを薄くコーティングしてつくられている為、とっても口溶けが良いのです。

◼︎Pâtisserie SolangeについてはVOLUME 01の「ニイガタのパリ案内。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 昨年買って美味しかったため今年もリピート買いした学校町にある「スズキ食堂車」のテリーヌショコラとミニチョコケーキ。テリーヌショコラは、濃厚で滑らかな舌触りのテリーヌ部分が美味しいのは言うまでもなく、香ばしいグラハムクラッカーがあってこそ成立するテリーヌというか、ひとくち口に運ぶたびにスズキ食堂車らしいテリーヌショコラだなと感じ入っています。ミニチョコケーキは子どもから大人までみんな大好き。ミニケーキの上に乗ったザクっとした食感のチョコの部分が好き(余談ですが、スタバのチョコチャンクスコーンもそうなのですが、私はザクっとした食感が好きなので温めずに食べる派です)。幹子さんがつくるお菓子には幹子さんの確固とした“好き”(または哲学というのでしょうか)をいつも感じています。

◼︎スズキ食堂車についてはVOLUME 02の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 今年初めて買ったのは「mountain△grocery」(以下、m△g)のクルミとラムのブラウニーとオーガニックバナナ・カルダモン・レーズンのマフィン。私はシンプルなお菓子ほど誤魔化しがきかず、簡単そうに見えて意外と奥が深いと思っているのですが(素人的な考えでしょうか)、m△gのブラウニーは濃厚なのにすっきりとした味わい、食べる前にトースターで軽く温めたので外はサクッと中は軽く口溶け良し。マフィンは素材の組み合わせが最高だなと思って買ったのですが、食べてみてやっぱり最高でした。ブラウニーやマフィンと一緒にいただいたのはコーヒーでしたが、目下、私的ブームのスパイス香るチャイとも相性ぴったりだなと思いました。次回はチャイで試したい!

◼︎mountain△groceryについてはVOLUME 04の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。



Italia

 イタリア各地の港町で愛されているスカンピ(赤座海老)は日本では今が旬なのだそうです。そんなスカンピを味わいに、2月24日に古町の「FOCACCIA e VINO TETTO」(以下、TETTO)へ行ってきました。私、今まで海老といえば日本の海老が一番だと思っていました。昔アメリカで食べたロブスターは大味で、ソースを付けて食することで味が完成される海老と思った記憶があります。スカンピはイタリアの他、フランスやスペインでも高級食材として扱われるくらい人気らしく、それ故に、年に一度のスカンピコースを堪能しないわけにはいかないと友人と食べに行ってきたわけです。スカンピはグリルとトマトクリームリゾットで供されました。グリルでいただいたスカンピは身が柔らかく甘みもあり、味噌の部分も美味。伊勢海老よりも美味しいのではないかと思ったほどでした。リゾットは上越市で栽培されたイタリア米を使用し、とことんイタリアにこだわって調理された一品。初めてイタリア米を使用したリゾットをいただきましたが、米の粒が大きくて、お米自体はさっぱりした味わい。さっぱりした味わいだからこそ、(イタリアではアメリケーヌソースの調理法ではないかもしれませんが)スカンピの旨みがギュッと詰まったソースをお米が吸い込んで、美味しいリゾットになるんだなと思いました。実際にとっても美味しくて「美味しいね」を連呼。スカンピ料理の他に長ネギのポタージュや蝦夷鹿の赤ワイン煮込み、デザートまでどれも素材の美味しさが伝わってくる滋味深い味わい。素材の味を活かしてシンプルに調理された料理をお皿の上にシンプルに盛り付ける。前にも書いたかもしれませんが、まだイタリアを訪れたことのない私は、美希さんの料理をいただくと、以前Netflixで観た「トスカーナ」という映画を思い出します。一度は行ってみたいな、イタリアへ。

◼︎FOCACCIA e VINO TETTOについてはVOLUME 04の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 古町の「Bar Hallelujah」(以下、ハレルヤ)は、新潟でいち早くクラフトジンやバーボンを取り扱った店。ジュンジさんは今もなお新しいクラフトのジンやバーボン、ラムなどの仕入れに力を入れています。ハレルヤはトニックウォーターも自家製なので、ジントニックの場合、ハレルヤのトニックウォーターで割ったものでないと物足りなさを感じてしまいます。先日、店を訪れた時にいただいたのはイタリアのGin Besideというジン。ボトルのデザインが素敵で飲んでみたいと思ったのですが、頼んで正解。ボタニカルの爽やかな香りや味わいがイタリアを連想させます。その数日後に一般発売されたイギリスのバンド「Bar Italia」のライブチケットを忘れずにポチッとできたのもイタリアのGin Beside様様です!

◼︎Bar HallelujahについてはVOLUME 02の「good vibrations」、VOLUME 04の「新潟T 私の愛するTシャツたち」、VOLUME 06の「ぼくはお酒と雑学が好き」およびcontentsから記事をご覧いただけます。



Coffee And Tea 

 家では毎日夕食後のコーヒーやお茶の時間は欠かせません。朝は白湯を飲むことも多いので、ちゃんとしたお茶の時間は夕食後になります。数年かかりましたが、やっとコーヒーの浅煎りを自分でも美味しく淹れられるようになったため、今は浅煎りと中・深煎りの豆を常備し、気分によって選んで飲んでいます。私はよいお年頃なので、最近寝る前にコーヒーを飲むと寝付けなくなることが多くなり、平日の夜はコーヒーよりもカフェインが少ない日本茶や紅茶を飲むことが多いです。

反時計回りに

左上:「dAb COFFEE STORE」(以下、dAb)のエチオピア。

 上記のPâtisserie Solangeのボンボンショコラと一緒にいただきました。dAbのエチオピアは開店当時から好きで飲み続けていますが、このエチオピアの豆はdAb至上一番の美味しさではないかというくらい気に入っています。豆がコロンとしていて可愛いのです。豆を挽く時から美味しい予感しかしません。毎回「おいしいな〜」と自分の淹れたコーヒーに自画自賛しています。

左下:「LUXUOSO」(以下、ルシュオーゾ)のブラジル。

 上記のスズキ食堂車のテリーヌショコラとミニチョコケーキと一緒にいただきました。ルシュオーゾは最近、産地は気分によって変わりますが中煎りか深煎りの豆を買っています。豆を焙煎したことによって得られる深みと甘さ、喉を通った後の余韻が気に入っています。稲月さんにチョコに合うコーヒーを聞いたところブラジルを薦めてくれました。稲月さんに聞いて良かったです。濃厚なチョコに深みのあるブラジルはぴったりでした。同じくルシュオーゾの豆も毎回「おいしいな〜」と自分の淹れたコーヒーに自画自賛しています。

右下・真ん中下:CAMPBELL'S Perfect TEAとチャイスパイス。

 紅茶は今、自分でスパイスを調合して淹れるチャイにハマっています。SOUPsのティースパイスミックスを買ったことがきっかけで、自分でもスパイスを調合してみたくなったからなんです。私はBar Hallelujah(以下、ハレルヤ)のラムチャイが好きなのですが、ハレルヤのチャイスパイスを参考にアレンジしています。この頃は外でお茶する時もチャイを頼んでスパイスの研究をする日々。

右上:「ISANA 喫茶室」で買った月ヶ瀬健康茶園の有機ほうじ番茶。

 平日の夜はISANA 喫茶室で買ったほうじ番茶の出番が多いです。甘みを感じる優しい味わいが気に入っています。いつもリーフのほうじ番茶を買っていたのですが、気軽に淹れられるティーバッグにしてみた所、本当に気軽に美味しい番茶を淹れられるので平日の夜専用になっています。

【おまけ】

 ISANA 喫茶室では冬になるとほぼホットチャイを頼みます。ISANAのチャイはISANAを卒業されたASAKOさん考案のレシピ。ブラックペッパーやジンジャーが効いていて辛味があり、その辛さを求めて何度も頼んでしまうのです。決して私は辛党ではありません。それでも私はISANAのチャイを何度も頼んでしまうのです。


◼︎dAb COFFEE STOREについてはVOLUME 01・06の「COFFEE AND MUSIC」とVOLUME 02の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

◼︎LUXUOSOについてはVOLUME 05の「COFFEE AND MUSIC」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

◼︎ISANA 喫茶室についてはVOLUME 02の「MINGEI」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

◼︎ASAKO OGAWA・MAIさんについてはVOLUME 05の「カルチャーあ」およびcontentsから記事をご覧いただけます。



Book

 2月のとある日、古町の「萬松堂」にふらっと立ち寄った時に、新聞の書評で紹介された本のコーナーで瀬戸岡恵太著「スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想」を見つけました。ソンタグの本は2冊所有していますが、今ひとつ理解できなかったため、ちゃんとソンタグの思想を理解したいと思い、本を手に取ってレジへ向かいました。

 とても興味深い本でした。ソンタグは強い人という勝手なイメージを持っていましたが、本当は誰よりも繊細で弱い面も持ち合わせている人。自分のしたことに責任を持っているからこそ強く見られてしまう。人は正当なことを言っているようで、対象(場合によっては対象じゃない人まで)を傷つけていることがある。そのことに気づかないでいることの怖さ。読み手の文章の切り取り方、解釈の仕方によって、書き手が言いたいこととは違う解釈をされることの怖さと責任。これらは誰にでもあり得ること。恐怖心があるからこそ、自分の目で見て事実を確かめたい、弱者に気づける、価値が低いと見なされているもにも価値を見出せる、平和を願える。この本を読んで、敢えて強い人間になろうとしなくてもいいのだと思えるようになりました。

◼︎萬松堂についてはVOLUME 02の「NO BOOKSTORE, NO NIIGATA LIFE」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


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