memorandum '25 卯月

 4月にニール・フランシスのライブを観に東京へ行った。ライブは激アツで最高に楽しかった。今回のライブは日本にいながら日本でないような気分だった。ライブが始まる前にフロアを見渡すと、日本で開催のライブだが半分以上が外国人。いつも1割くらいが外国人だったから、なんだか不思議な気分だった。ライブ以外は趣味のジャム作りの研究のため世田谷区周辺を散策した。世田谷線に乗っていると、かつて住んでいたことのある松陰神社駅からどっと外国人の集団(おそらく観光客だと思う)が乗ってきた。私が暮らしていた当時は東京在住の外国人を数名見かける程度だったが、今では住宅地まで観光客が訪れるのかと不思議な気分。銀座や渋谷、新宿などでは外国人が多いのは見慣れた光景だがら別になんとも思わない。今では松陰神社が注目を浴びるようになったのか、松陰神社の商店街や周辺に美味しいお店が増えたから人が集まるようになったのか。。。

 今回の東京旅は私が20代の頃に初めてニューヨークを訪れた時にメルティング・ポットとはこういうことかと感じたあの感覚に少し似ていた。新たな体験を求めて地方の温泉まで外国人がやってくると聞くが、東京のローカルで外国人の集団を見かけたのは同じ理由からなのか。新潟はインバウンドの恩恵を受けていないだけに東京という都会さに驚きを隠せなかった。

 世田谷区の住宅街を歩いていると、モッコウバラが咲き誇っている家が何軒かあった。あ〜、なんてラブリーなんでしょう。モッコウバラの存在自体がもう可愛らしい。歩き回って疲れていてもモッコウバラに出会うたびに嬉しくなって元気になった。そういえば、新潟市も新潟駅から古町の柾谷小路までの道路沿いの花壇がここ数年良くなった。ちゃんとガーデニングデザインされていると感じる。毎年4月になると市民協力のもと育てられた色とりどりのチューリップの鉢植えが道路沿いに並べられる。4月はやすらぎ堤の桜を楽しんだ後、チューリップロードを眺めながら歩くことが楽しみだったりする。今年は桜を楽しむ間もなく、あっという間に桜が散ってしまった。通勤時にバスの窓から桜を眺めるだけで気持ちが穏やかになった。短い期間だったけれど、あの心地よい時間をありがとう。そしてまた来年。


ライドの途中で。

 5月に五泉市までライドに行こうと4月はバイク強化月間とした。バイクに体が慣れ且つ体力もつくように沢山バイクに乗ろうと意気込んでいたが、休日は天候が悪くてあまりバイクに乗れずしまい。それでも自宅から新潟島を1周して帰ってくるという、距離にして23㎞のコースを何回かは走った。3月はほとんどバイクに乗っていなかったので体力の衰えは自覚していたが、まさか腕の筋肉痛になるとは思ってもみなかった。ハンドルを握っているだけで腕の筋肉痛になるとは、とほほである。

 ライドの楽しみは景色を眺めることとコーヒーブレイク。毎度見慣れた景色だけれど光の差し具合によって違って見えるから飽きることはない。最近は菜の花をみても綺麗だとか美しいという感情ではなく、美味しそうと感じるから困ったものだ。今年は笹団子作りにも挑戦したくて草むらに蓬はないかと目を光らせている。3月から4月の間に若葉を摘んだ方がいいらしい。でも蓬はトリカブトと間違えやすいと聞くから慎重になる。葉っぱの裏側を見て白い産毛が生えているものが蓬らしいが、蓬らしき葉っぱを積んで匂いを嗅いでみても蓬の匂いがしない。これは本当に蓬だろうかと心配になり、なかなか摘めずにいたらもう4月も終わり。5月の初めに摘んだ蓬でも大丈夫だろうか。いつもそんなくだらないことばかり考えながらライドを楽しんでいる。

 バイクを長く楽しみ続けるには速さだとか時間だとか気にせず、自分の心地よいペースでゆるく楽しむことが大切。だからコーヒーブレイクは欠かせない。ある日新潟島のサイクリングコースすぐ近くの護国神社境内の一角にある「KOBO BAKERY SHOP」(以下、KOBO)に立ち寄った。パンを買って海か信濃川を眺めながら食べるのもいいけれど、店内のイートインスペースでゆっくり過ごすのも好きだ。KOBOのサンドイッチはパンだけでなく具も美味しい。ゆっくり休憩した後はもう一漕ぎ頑張ろうという気持ちになる。


 新潟島をライドしていて途中で八千代橋を渡り、水島町へ向かう。目的は「delica & liquor conne」(以下、conne)でランチすること。私は予約が苦手だから滅多に予約はしない。いつも予約なしで土日に行くと満席で入れない。今回は平日だったので大丈夫かなと思っていたが、ほぼ満席でギリギリセーフだった。いつものキッシュのランチにするつもりだったが、あらカルトを見ると美味しそうなメニューがいっぱい。アラカルトのメニューを組み合わせて昼飲みすることにした。どれも美味しかったのだが、蕗のとうのクロックムッシュはまたおかわりしたくなるほど気に入った。蕗のとうの爽やかな苦味が塩気のある生ハムとチーズ、ベシャメルソースにピッタリ。バンもカリッと香ばしい。

 今年は蕗のとうを大量にいただいた。天ぷらにして食べようと思ったのだけれど仕事で帰りが遅い日が続いた為、すぐに調理できず2日後に調理することになった。蕗のとうを包んだ新聞紙を外すと蕗のとうの外側が一部黒ずんでいた。その黒ずみはアクで、蕗のとうのアクは身体によくないとネットに出ていたので、黒ずみを取り除いて茹でてアク抜きし、蕗味噌を作った。蕗味噌も美味しかったけれど、下茹でした蕗のとうを小分けにし、蕗のとうのクロックムッシュを家で再現しても良いかもと思った。家ではベシャメルソースを省き、パンに蕗のとうと生ハムとチーズだけの手抜きバージョンで。

 タケシさんは料理人だから何でも知っている。蕗のとうは鮮度が落ちやすいから直ぐアク抜きをした方がいいと教えてくれた。蕗のとうの話からなぜかつくしの話になり、私がツクシはたんぽぽが育つとツクシになるんでしょと言ったら、別物だと教えてくれた。半世紀生きてきて初めて知った。ツクシとたんぽぽはいつも同じ場所で見かけるからてっきり同じだと思っていた。後でネットで確認したら、私のようにツクシとたんぽぽが一緒だと思っていた人を見つけた。その人は私とは逆でツクシがたんぽぽになると思っていたらしい。またツクシタンポポという品種のたんぽぽがあるそうだ。大分や高知、福岡、佐賀で見られるらしい。勉強になった。

◼︎delica & liquor conneについてはVOLUME 03の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。



 conneでランチをしたら、同じビルの「dAb COFFEE STORE」(以下、dAb)でコーヒーブレイク、そして時どきこれまた同じビルの「ROWYARD RECORDS」でレコードを買って帰るのが水島町に来た時の定番コースだ。conneで一杯やって、顔が赤らんだままdAbへ行き、コーヒーを飲みながら顔の赤らみが薄らぐのを待つ。最近は自転車の取り締まりが厳しいらしい。酔っ払った顔でバイク乗っているところを見られたら即アウト。来年4月から自転車交通違反の青切符による取り締まりが始まるそうだが、スピードは抑えているものの歩道を通行するだけでなく歩道を逆走することがあり、4月までに習慣が直るかどうか心配だ。

 conneで食事した後にdAbへ立ち寄るときは、店内でコーヒーだけ頼み、焼き菓子はテイクアウトにすることが多い。この日は今季初めて見かけたかもしれないレモンタルトがあったので迷わず注文。レモンの美味しさがギュッと詰まったタルトは毎年楽しみにしている。dAbのホンジュラスを淹れて、コーヒーと一緒にレモンタルトをいただいた。夜中なのに食べたくなる罪深き美味しさ。

◼︎dAb COFFEE STOREについてはVOLUME 01・06の「COFFEE AND MUSIC」、VOLUME 02の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 レモンの酸味が効いたお菓子が好きな私は学校町にある「スズキ食堂車」のレモンケーキも毎年楽しみにしている。スズキ食堂車のレモンケーキもまたレモンの美味しさがギュッと詰まった、小ぶりだけれどとても満足感のあるケーキなのだ。一緒にいただいたのはミルクティー。この日は沼垂テラスにある「青人窯」の器にミルクティーを淹れて、古町にある「ヒメミズキ」で買ったお皿にレモンケーキとミルクティーを盛り付けてみた。

◼︎スズキ食堂車についてはVOLUME 02の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

◼︎青人窯についてはVOLUME 07の「My Favorite Things」およびcontentsから記事をご覧いただけます。

◼︎ヒメミズキについてはVOLUME 02の「MINGEI」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 4月に「LOWYARDS RECORDS」で買ったレコードはHoly Tongueのシングル『Ambulance』。ボキャブラリーがなくて音楽を語るのは大の苦手だからチープな感想になっちゃうけれど、ダビーでとにかくカッコいい!

◼︎LOWYARDS RECORDSについてはVOLUME 06の「good vibrations」およびcontentsから記事をご覧いただけます。


 バイクだと水島町から沼垂へはあっという間に着いてしまう。沼垂へ「atelier gallery mo」へ立ち寄り、店主であり陶芸作家でもある「川名 萌子 陶 展」を見に行った。以前から色の違う土を使い幾何学的な温かみのあるデザインの作品に惹かれていた。いつも他の作家との共同企画を開催されているが、萌子さん自身の作品をじっくり見てみたいと思っていたので絶対行きたいと思っていた。今回私が気に入って買ったのは花器。二色の異なる土を使い焼いていると教えてくれた。それぞれ焼成時の収縮率が違うため、計算しながら作陶しているそうだそうだ。聞くのを忘れてしまったが、ドットのような細長い長方形は手書きの絵付けではないようだ。象嵌技法(かな?)を用いて焼かれているのかも。

 萌子さんの個展では、非売品だったけれど、陶器のお花(?)のオブジェもとても可愛かった。作陶時に余ったバーツを組み合わせて作っているそうで、いつか数が集まったらちゃんとお披露目するかもしれないと仰っていた。是非に〜。

※左端の小さな花器は「青人窯」の作品です。


番外編

 4月に久しぶりに古町にある「Bar Hallelujah」(以下、ハレルヤ)へ行った。ハレルヤにはボブ・ディランプロデュースのバーボン「HEAVEN'S DOOR」がある。ボブ・ディランがバーボン好きとだ知ったのはハレルヤがきっかけだった。いつもハレルヤでジンばかり頼んでいた私だが、ある日ドリンクのメニューボードに書いてあるボブ・ディランプロデュースの文字に目がとまった。ボブ・ディランがプロデュースと聞いただけで飲んでみたくなる。実際に飲んでみて美味しかった。バーボン初心者の私にとって「HEAVEN'S DOOR」はバーボンを知るいいきっかけになった。3月初めに観に行ったティモシー・シャラメ主演の映画『名もなき者』。ティモシー・シャラメの演技が本当にボブ・ディランに見えてしまうくらい素晴らしかった。ちなみにジュンジさんはモニカ・バルバロ推し。『名もなき者』の余韻がまだ残っていた私は久しぶりに「HEAVEN'S DOOR」を頼んだ。この日は珍しく古町にある「insens」のスズキさんと一緒になった。スズキさんといえばバイク。BLUE BIRD VOLUME 06の”突撃!BIKE CHECK。”の撮影でお世話になってから、バイクのことを話しだすと止まらないスズキさんのことを心の中で私は小師匠と呼んでいる(大師匠はバイク好きの皆さんが敬愛する関屋にある「ROCK GARAGE」のニックさん)。夏のボーナスが入ったら新しいバイクを買うき満々の私はもちろん鈴木さんに相談しましたよ。その時は何を買ったらいいかまだわからないままだったけれど、具体的に乗りたいバイクの形が見えてきた気がする。

◼︎Bar HallelujahについてはVOLUME 02の「good vibrations」、VOLUME 04の「新潟T わたしの愛するTシャツたち」、VOLUME 06・07の「ぼくは散歩と雑学が好き」から記事をご覧ください。


 2025年は「JAMES」にとって祝40周年の年ということもあり、1月から月一くらいのペースで楽しいイベントを開催している。2月に開催のorSlowの受注会に行った時に、これまたBLUE BIRD VOLUME 06の”突撃!BIKE CHECK。”の撮影でお世話になったJAMESのユウセイ君が(多分私は初めて見たと思う)新しいバイクで出勤していて、そのバイクがめちゃくちゃカッコよかったものだから私のバイク欲しい熱を一気に爆発させた。

 4月にJAMESの1階にある「LIFE」へ久しぶりにランチを食べに行った。LIFEも予約しないで行くので満席で入れないことがよくある。今回は奇跡的に店に入り席につくことができた。私がいただいたのは、今季もう終わってしまうであろうグラタン。LIFEのグラタン、好きなんです。今年もグラタンを食べることができて嬉しい〜。外からの光が差し込む気持ちいのいい席でとても口福な時間を過ごした。

◼︎JAMESについてはVOLUME 02の「good vibrations」、VOLUME 04の「新潟T わたしの愛するTシャツたち」、VOLUME 05の「未来につなげていくものづくり。」およびcontentsから記事をご覧ください。

◼︎LIFEについてはVOLUME 03の「わたしのSmile Food。」およびcontentsから記事をご覧ください。

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