01. good vibrations

ホリデーシーズンに、聴きたい音楽ってなんだろう?

冬の澄んだ夜空に輝く満天の星を眺めながらのドライブや、しんしんと降る雪を時折窓越しに眺めながら暖かい部屋で聴く音楽。それから友人や家族と一緒に賑やかなパーティーで聴く音楽etc。

皆さんはホリデーシーズンにどんな音楽を聴いていますか?

今回はいつ訪れてもな素敵な曲がかかているお店の音楽好きな皆さんから、ホリデーシーズンになると聴きたくなる曲を紹介していただきました。

知っている曲なのに新たな発見があったり、知らない曲で新たな世界が開けたりするかもしれませんよ。

good vibrations!


曲紹介の後は、お店についてもしっかりと紹介させていただいております。ぜひご覧ください。


01. BAR HALLELUJAH 

02. JAMES NIIGATA 

03. J&Y CHEESE SHOP 


BAR HALLELUJAH ジュンジ

John Lennon and Yoko Ono/Plastic Ono Band with the Harlem Community Choir

“Happy Christmas(War is Over) 戦争は終わった”

曲の冒頭に二人が囁きあっているのが聞こえるだろうか。

声は“Happy Xmas Kyoko, Happy Xmas Julian”と。

「Kyoko」とはヨーコさんの前夫との娘のことであり、「Julian」はジョンの最初の妻との息子ジュリアンのこと。

当時の二人にはいろいろな諸事情のために子供たちには会えないでいた。

曲が発表されたのは1971年でヴェトナム戦争は終わっていなかった。

それでもあえて「戦争は終わった / 君たちが望むなら」と言い切った。

ジョンが凶弾に撃たれ亡くなってから来年でもう40年、この曲がリリースされてからもう50年近くも経つ。

それなのに世界からは争いごとも絶えないしクリスマスのことさえ知らない子供たちはたくさんいる。

プーチンも習近平も中東の革命戦士でさえこの曲を知っているはずなのに。

僕らの国は平和だという。自由だともいう。

けれど世界中で倒れてる人たちがいるのを知ってる。

それでもそれを僕らは自由と呼べるのだろうか。

そんなことを少しでも想ってもう一度この曲を聴いてみてほしい。



JAMES NIIGATA 丸山正博

普段から音楽は勤務先の店内でBGMで聴くことがほとんど。それ以外はラジオを好んで聴いてます。お気に入りの番組でDJの方が選曲して気持ちのよかった曲や仕事帰りに立ち寄るレコードがいっぱいあるこれまたお気に入りのBAR(BAR HALLELUJAH)で勧められた曲のなかから選んでみました。

Clairo “softy”

この曲はよく聴くラジオ番組でかかった曲です。

まだハタチそこそこの女の子なんですが打ち込み感もちょうどよく、耳残りがいい曲です。

この曲以外に“SG Lewis”との楽曲はポップでそちらも好きです。


Angus&Julia Stone “SNOE”

この曲との出会いは仕事帰りに寄るBARで、音楽が大好きな店主のおじさんに薦められて。。。

オーストラリアの姉弟デュオで、ちょっとフォークっぽい感じがこれまたほっこり。

力の抜け感、無理してない感じ、柔らかさって感じでしょうか、耳残りの良い曲が多いです。


Chet Faker “1998”

この曲はうちの子供達も大好きな曲。

曲もさることながらミュージックビデオも面白いですよ。

こちらもオーストラリア出身のアーティスト。

オーストラリア出身のニック・マーフィーによるソロ・プロジェクト。


Harry Connick Jr “It Had Be You”

これは映画「恋人達の予感」の劇中で流れた曲。

ジャケットも秋から冬って感じでニューヨークの景色も素晴らしく。。。

そしてストーリーも素敵で大好きな曲です。

なんだか冬に聴きたくなる曲です。


Ryuichi Sakamoto&David Sylvian “FORBIDDEN COLOURS”

坂本龍一&デヴィッド シルヴィアン「禁じられた色彩」

言わずと知れた坂本龍一の名作(邦題)「戦場のメリークリスマス」での名曲を

元JAPANのメンバー、デヴィッド シルヴィアンが歌詞をつけてヴォーカルも担当したもの。

僕は有名なサントラバージョンよりもこの歌詞がついた方が

とってもとっても心に沁みちゃうんですよね。



J&Y CHEESE SHOP 土田健輔

BRUNO MARS “treasure”

大切な人を心から愛しく想います。


美空ひばり “川の流れのように”

祖父との思い出の曲。時にはタイトルのように。


ドビュッシー “月の光”

心が洗われます。

edit:Miyako Shimizu



01.BAR HALLELUJAH バー ハレルヤ

美味しいお酒に美味しい音楽、美味しい人たち。


 上古町の路地裏にクラフト・ジンやクラフト・バーボンなどが楽しめるお店『BAR HALLELUJAH(バー・ハレルヤ)』がある。店内に入ると、カウンターの後ろの壁に設えられた棚にぎっしり並んだアナログレコードが目に入る。

「今って、新潟ではバーってあまりないじゃないですか。みんなが集まる時は居酒屋に行ったりする。美味しいお酒を飲みながら、美味しい音楽を聴けるお店がやりたかった」と話すのは店主のジュンジさん。

 初めて飲んだクラフトのジントニックの美味しさは忘れられない。爽やかな香りにスッキリとした味わい、サラサラとした喉越し。作り手によってはハープやスパイスの風味を感じるジンまである。使っているものが少ない分だけ、味がストレートに出る。バー・ハレルヤではトニックウォーターも自家製だ。

「クラフトのお酒を扱うようになったのは、海外で初めて飲んだクラフトのお酒に感動したから。トニックウォーターを自分で作っているのは、自分のお店でクラフトジンを出そうと思った時に市販のトニックウォーターで割って飲んでみたら、そんなに美味しいとは感じなかった。だから自分でトニックウォーターを作ることにしたんだ。美味しいお酒を探して飲んでみて、美味しいお酒を作っている作り手をお客さんに伝えるのも好き」とジュンジさん。

 お店の名前の由来は大好きな曲だというHallelujahからきているそう。Hallelujahと言えば私はラジオでよくかかる晩年のレナード・コーエンが歌うHallelujahが思い浮かぶが、ジュンジさんが好きなのはジェフ・バックリィがカバーしたバージョンだそう(静謐さが際立った美しい曲です)。

 バー・ハレルヤにはあらゆる層のお客さんが訪れる。常連客から何の情報もなく吸い込まれるように入ってきたという旅人まで様々だ。カウンターに座っていると、やはり何処からともなく音楽の話になり、お客さんとの会話から、大量にあるレコードの中から一枚選んでかけてくれる。

「昔はリクエストを聞かないと言われていたんだけどね(笑)。バー・ハレルヤをオープンする前はハワイに居たんだけど、ハワイにレコードを船便で送る際に3分の1のレコードが失くなってしまったんだ。ダニー・ハサウェイやカーティス・メイフィールドとかも失くなってね。だけど買い直しても仕方がない。新しい音楽の方でいい。死ぬまで新譜を買うって決めてるんだ(笑)。新しい曲というのは何も最近出た曲ばかりでなく、昔の曲でも聞いたことのない曲は新しい曲だしね」とジュンジさん。

 カウンターでは、いつの間にか見知らぬ者同士会話が始まる。和やかな時間を共有できるのはジュンジさんの人柄による部分が大きいからだろう。

左上から2段目:BROOKLYN GIN & ORIGINAL TONIC WATER

左下から2段目:ジュンジさんのお奨め 左からOLD POTRERO ,SPRING GIN ,UNCLE VAL’S ,HUDSON BABY BORBON WHISKY ,ANGEL’S ENVY

右上から2段目:クリーミーで濃厚な ニューヨークチーズケイク

右下から2段目:ハーブが香るトマトベースのマンハッタンクラムチャウダー シェルパスタ入り

右最下段:ジュンジさんのお気に入りバンド「Big Thief」の新譜(手前)が取材当日に届き、早速開封。全て限定盤のカラーヴァイナル!


BAR HALLELUJAH

新潟市中央区古町通5−598−1 18:00-25:00 日曜日定休( 祭日前営業 ) チャージなし



02.JAMES NIIGATA ジェームス ニイガタ

卒業しなくていい服に出会う。


 現在新潟県内で、NIIGATA、NAGAOKA、STANDARD LIFE STOREの3店舗を構える『JAMES』。

 ベーシックでスッキリとしたメンズライクなカーゴパンツを探していた私は、ある日、東堀にあるJAMES NIIGATAを訪ねた。そこで出会ったのがSTUDIO ORIBEのフレンチカーゴパンツだ。厚手でしっかりとした生地に丁寧な縫製。履いてみると細身でスッキリ、カジュアル過ぎず綺麗に見える。ストレッチ素材のため動きやすく履き心地が良い。ユニセックスサイズなのでジャストサイズでレディスライクにも、ゆったりとしたサイズでメンズライクにも履ける。実際に色違い、サイズ違いで何本も揃えるお客様もいらっしゃるそうだ。

 STUDIO ORIBEはJAMES&CO.の自社ブランド。代表である塩谷さんがSTUDIO ORIBEやDELICIOUSを手がけている。JAMESは1985年にイギリスの古着を売るお店としてスタート。店名『JAMES』は英語圏で誰でも知っている普及的な名前で、誰も使っていない店名を付けたいと考えて付けられた。だからだろうか、塩谷さんが手がける服には、どこかイギリスの服作りの精神が感じられる。

 STUDIO ORIBEの創立は1999年。デイリーウェアブランドとしてスタートした。最初は毎シーズン沢山のアイテムを企画し生産していたが、10年後の2009年に定番だけ、作り、売り続けていくことにシフトする。「一般的なアパレルの商品は新しい商品を世の中に出して半年もすると、努力をして作り出した商品が、その良さを伝える時間も与えられないまま、残ったものはセールにかかり、安売りをして商品の寿命が終わってしまいます。そんなサイクルでの物作りではなく、一つ一つの商品を丁寧に作り、その良さを伝えることに時間をかけたいと考えました。販売員の皆さんも今年の新作はまだ着たことも洗ったこともないのに、お客様に本当に良い物として紹介はできません。この商品が本当に良いですと言えるのは、ちゃんと使い込んでからです。また一つの商品を長く作り続けることで、欠点を修正し、より熟成させることもできます」と塩谷さん。体型も好みも人それぞれで、“みんなにとっての定番”を作るのは難しい。何度も改良を繰り返し、ようやく自信が持てるものができた時に定番へ昇格となる。塩谷さんは続けて語る。「うちの商品に責任を持ちたい。3年経ったら時代遅れで、それを着ていることが恥ずかしくなってしまう。また、20歳の時は良いと思って買ったけど、30歳になったらとても着れない。そんな商品ではなく、お父さんが子供にこれを着ておけば間違いないと言える、卒業しなくて良い服を作りたい」。JAMES NIIGATAの顔でもある丸山さんは「僕がずっと販売職を続けてこられたのは、歳を重ねていっても着続けられる服を扱っているからだと思います」と胸を張って笑顔で語る。丸山さんに信頼を寄せているお客様は多い。丸山さんの言葉には、自分が着て感じたことを素直に語り、嘘がないからだろう。STUDIO ORIBEやDELICIOUSの服作りに携わっている山信織物さんは、もともとはJAMESのお客様だったという。お互いに物作りにおいて実直だ。実際に着て洗濯をしてみて、着心地や品質を確かめ、改良を重ねながら商品を作っている。タグには服作りに携わった会社名が書かれている。タグに書かれた会社名から、その会社への信頼と敬意が感じられる。

 JAMESではSTUDIO ORIBEやDELICIOUS以外にも、色々な商品を取り扱っている。時代を超えてきた普及的な商品や、作り手の顔が見えるブランドの商品、卒業しなくて良い物を揃えている。売っている商品の価値を否定したくはない為、基本的にはセールはしていないという。STUDIO ORIBEやDELICIOUSが目指すものと共通しているセレクトだ。

 JAMESは、人に対しても、物に対しても誠実だ。そして信頼がある。だから34年も続けてくることができたのだろう。 

左下段:JAMES NIIGATAの丸山さんが着ているのはDELICIOUSのコーデュロイジャケットにPujolのシャツ、STUDIO ORIBEのパンツ。


JAMES NIIGATA

新潟市中央区東堀通5-438 ☎︎025-229-3756 11:00-20:00 水曜日定休



03.J&Y CHEESE SHOP 

ジェイ アンド ワイ チーズ ショップ

美味しいだけではないチーズ。


 皆さんは異国のものに出会ってときめいたことはないだろうか。私は沢山ある。チーズに関して言えば、子供の頃にテレビで見たアルプスの少女ハイジに出てくるチーズパン。二十歳の頃は雑誌で見かけたブリオッシュにリコッタチーズ、ハチミツをとろりの組み合わせ。社会人になるとワインと一緒に嗜みたくなる熟成されたチーズ。チーズが美味しそうに見えたからだけでなく、チーズのある暮らしが素敵に感じられたからだ。

 本町通にあるチーズ専門店「J&Y CHEESE SHOP」。11月で1周年を迎えた。店主の土田さんは「店名のJ&Yは叔父のジムと叔母のゆうこの頭文字から取りました。二人は飛行機の中で出会ってお互いにときめいて結婚。叔父と叔母のように、外国の食事に出会い、食べてときめいて欲しいという想いを込めています」と教えてくれた。

 新潟でチーズ専門の路面店はJ&Y CHEESE SHOPが初めてではないだろうか。「もともとチーズは好きでした。好きになったきっかけのチーズというのは特になくて、チーズを含めた輸入食材全般が好きでした。その中で、チーズを知るうちにチーズってすごいと思ったんです。実はチーズは栄養価が高い健康食品なのです。また美容にもいいんですよ。そんなチーズの魅力を広めていきたいと思い、チーズのお店を出しました」と土田さん。栄養価が高い健康食品というだけでなく、美容にも良いとは嬉しい。チーズに無い栄養素は炭水化物と食物繊維、ビタミンCだけだそう。普段、何気なくチーズと一緒に食べているパンや果物は、美味しいだけでなく栄養的にも優れた組み合わせだったとは。

 新潟ではまだまだチーズの知名度は低い。百貨店に行けば美味しいチーズは手に入るが、普段は百貨店まで行ってられないので、いつも近所のスーパーでチーズを買っていた。市販品のチーズは時間が経ってもあまり味わいに変化は感じられなかったが、美味しいチーズは違う。最初はクリーミーで塩気や酸味、コクのバランスがよく、時間の経過とともに食感や塩気、香りなどが変わってくる。改めてチーズは本当に発酵食品なんだと思った。「お店では6タイプのチーズを揃えています。色々な種類を食べ比べて欲しいですね。最初はそのままで食べて、後は料理などに使って楽しんでいただいたり。チーズは未来の子供の為にもあった方が良い素晴らしい食品です。親が子供に食を通じて外国の文化を自然に教えていくことで、子供は世界の文化に興味を持っていくと思います」と語る土田さん。

 J&Y CHEESE SHOPではカウンターでチーズや生ハムの盛り合わせや、ホットサンド、チーズパスタなどを楽しむことができる。カウンターに座っていると、通りに面した大きな窓から柔らかい日差しが差し込んできて気持ちが良い。店内では心地よい音量でダンスミュージックが流れている。土田さんの友人が作ってくれたミックスCDだそう。時どきご年配の方がワインと一緒にチーズを楽しんでいたり、探していたチーズを求めてお店に立ち寄っていく姿を見る。皆さん、海外旅行などでチーズの美味しさ、楽しみ方を知った方のように見受けられる。若い頃に異国の食事に出会い、食べてときめいたのかもしれない。「若い方たちにも、もっとチーズの魅力を伝えていきたいですね。気軽にチーズを楽しんでもらいたいと思っています」と土田さんは笑顔で語ってくれた。

右上から2段目

チーズの盛り合わせ:左から時計回りに ブルードヴェルニュ、ラングル、ブリアサヴァラン

グラスワイン:ジャン・フィリップ・マルシャン ブルゴーニュ ピノ ノワール


J&Y CHEESE SHOP

新潟市中央区本町通5−235 ☎︎025-378-0058 11:00-21:00 不定休


全てtext・photo:Miyako Shimizu

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