新潟夏樹の「新潟T」。

みなさん、アロハです。今年は梅雨明けも早く、暑い日が続いていますが、元気ですかー!Tシャツ着てますかー!(アントニオ猪木風に)。

今回VOLUME 04で特集した「新潟T わたしの愛するTシャツたち」のタイトルは、気づいた人も多かったと思いますが、村上春樹さんの「村上T 僕の愛したTシャツたち」が元ネタです。名字が”村上”故にトライアスロン大会に出場のため新潟県”村上”市を訪れたこともあるという村上春樹さん。私の住む街は新潟県新潟市なので「新潟T」。Tシャツの最盛期が夏ということで、ペンネームを新潟夏樹としたのでした。フリーペーパーの発行時期が初夏ですしね。

実際に今特集で紹介した店のTシャツは、ちゃんと購入して着て楽しんでいます。実は、今特集を企画する前まで、あまりメッセージやイラストの入るTシャツを着ることはなかったんです。ほとんどが無地かボーダーでジャストサイズのシンプルなTシャツばかり。今特集で紹介したTシャツを購入しようとしたところ、既に私の欲しかったサイズは売り切れてしまっていて、いつもより大きなサイズを購入することになりました。もともと服を選ぶ時にこだわりはなく、好きか、似合っているかだけで選んでいます。ほとんどが無地かボーダーでジャストサイズだったのは、好きなもので似合うTシャツが見つからなかったからです。ある年齢になってからTシャツが似合わなくなってしまいました。特に白いTシャツを着た自分を見ると、まるで学生の体操着のような出で立ちだと感じてしまうのです。Tシャツと私自身の違和感というのでしょうか、Tシャツに私が負けているというのでしょうか、とにかくTシャツに着せられている感じがして、自ずと着るものが限定されるようになりました。そんな私が今回は何かしらデザインがあり、ほぼオーバーサイズのTシャツに挑戦することになりました。苦手意識のあったTシャツをいかに似合うように着こなすか。これに挑戦するのは結構楽しく、自分にとって新たな発見もありました。

映画「mid90s」を観ていたら、オーバーサイズのTシャツはFuckshit君のように着てみればいいことに気がつきました。fuckshit君のボトムスとトップスのバランス具合がいいなと思ったのです。ちょうど私も肩下くらいの長さのクルクルパーマですし、ニットキャップを被ればFuckshit君みたいになれる、そんな単純な理由です。Tシャツはメーカーによって同じサイズでも全然大きさが違うので、ものによっては丈が長すぎてアンバランスになってしまいます。男性のように肩幅があれば気にならないのかもしれませんが、女性の私が着るとしっくりこない。そんな時はポケットに手を突っ込むに限ります。ちょっと丈が上がってくれてバランスが良くなるんです。決してカッコつけているわけではないんですよ。

そんな訳で、今気になるのがTシャツのサイズとボトムのバランスです。今発売中のPOPEYEのGOOD MUSIC特集でたくさんのミュージシャンが出ていますが、あまりオーバーサイズのTシャツを着てなくて、ジャストサイズを好きなように着ていてかっこいいなと思いました。YouTubeでBlack Country,New Roadのライブ映像を見ていると、なぜかヴァイオリンのジョージア・エラリーに目がいってしまいます。彼女はヴォーカル/ギターのアイザック・ウッドと同じくらい映像に映っているんです。固定された位置から撮るという制約があるのかもしれませんが、他のメンバーを見たくても画面に映るのはジョージアかアイザックかサックスのルイス・エヴァンスが中心。他の女性メンバーも可愛いのにジョージア嬢ばかり映っているというのは、カメラマンがジョージア嬢を好きなのではないかと、いらぬ想像力を働かせてしまったり。そんなジョージア嬢ばかりをずっと見ていると「ジョージア嬢、かわいいな」といつの間にか目が離せなくなります。着ているTシャツはごく普通の白無地でオーバーサイズなTシャツだったり、オーバーサイズな黒の I ❤︎ NY Tシャツだったりしますが、Tシャツをスエットのパンツにインして着ているだけでかわいいのです。なぜかわいいのか。ジョージア嬢の顔がかわいいというのもありますが、好きなTシャツを着るときは、堂々と着る。私のようにあれこれ考えない。これに尽きるのではないかと思うに至りました。

「村上T」で村上春樹さんは、Tシャツを着るときは、人目を引くようなメッセージが書いてあるTシャツを着ないと仰っていました。著名人なだけに、Tシャツに書いてあるメッセージに目がいって村上春樹さんだと気づかれてしまう恐れがあるからだそうです。確かに、メッセージに目がいって、なんて書いてあるんだろうと見いってしまいますよね。カッコいいメッセージや楽しいメッセージだと、そこから会話が生まれることがあり、いいなと思います。「新潟T」で各ショップのTシャツを紹介する際にTシャツとは全く関係のない文章を添えさせていただきました。美術作家であり編集者であり、詩人でもある故 永井宏さんが手がけていた葉山にあるSUNSHIN+CLOUDのカタログが元ネタです。現在もSUNSHIN+CLOUDのカタログでは商品に、愉快な気持ちになるような日常で感じたこと、考えたことなどが短い文章で添えられています。永井さんが、SUNSHIN+CLOUDで「ALOHA」と書かれたTシャツが一番人気なのは、着ている本人だけでなく見た人もハッピーな気分になれるからだろうと仰っていました。Tシャツだけでなく、ことばの持つパワーは良いことに利用したいですね。

今夏にJAMESで、TACOMA FUJI RECORDSの「HAPPY HOUR DRINKING TEAM」と書かれたTシャツを買いました。カフェや喫茶店でお茶でも良いですし、自宅で晩酌だったり、友人と飲みに行った時などにこのHAPPY HOUR Tシャツを着ていると楽しい気分になります。今のご時世だから余計に、そう感じるのかもしれません。制約がある中で、いかに愉快な気分で過ごせるかを考えることは楽しいものです。

みなさんは、残りの夏をどのように楽しみますか?

写真左:JAMES AFTER BEACH CLUBのLEGEND of Surfing Tシャツ。

Instagramの番外編「新潟T」で紹介したTシャツです。ブランドのイメージを考えてボツにした写真ですが、個人的に好きな写真です。海に来たら、やってしまいますよね、Tシャツのイラストと同じポーズで記念撮影!

写真右:HAPPY HOUR DRINKING TEAM Tシャツ。

お酒に弱い私は、すぐに赤くなってしまい、量もあまり飲めませんが、楽しむ気持ちだけは酒豪並みだよとアピールしている写真です。


■「新潟T  わたしの愛するTシャツたち」の記事はVOLUME 04およびcontentsからご覧いただけます。


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